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日経平均が12000円を切り、日本経済にとっても、新春明和クイズをお楽しみの皆さんも何とか次なる政策を待たれるところでしたが、日銀が量的緩和策を発表いたしました。それに関するレポートです。 日銀の量的緩和策の中身は何か 日経平均株価の1万2000円割れで、日銀の政策が注目されている。日銀は、2月28日に無担保コール翌日物金利と公定歩合の追加利下げを行ったばかりであるが、金融市場では日銀によるさらなる「量的緩和策」が求められている。この「量的緩和策」とは具体的には何であろうか。 一般論としては、量的緩和策とは、政策手段として「金利」ではなく、「資金量」に軸を置く金融政策のことをいい、具体的には、次の3つを指している。
現在、政府・日銀は、超低金利を維持する一方で国債を発行し、公共投資を行って景気刺激策をとっているが、一向に景気が回復する気配は見えてきていない。金融・財政政策を打っても景気がよくならないのは、経済構造に問題があるからであり、多少の痛みを伴っても構造改革を断行すべきだという声が強くなってきている。 これに対して、いま構造改革をやればさらに景気は悪化するので、経済の下支えとして財政出動が必要であり、日銀は一段の金融緩和策をとるべきであるという声が対極としてある。 日銀としては、すでに「潤沢な資金供給」は行っている。昨年の8月まで採っていたゼロ金利政策も潤沢な資金供給の一環であるという。いま日銀に求められているのは、さらに突っ込んだ金融緩和策なのである。それは、量的緩和策の2と3、すなわち、長期国債の買い切りオペを増額することと、為替介入をして円安に誘導することである。 実は、日銀が銀行から長期国債を買い取る買い切りオペは、かなり前から継続して行われており、1997年11月からは、それまでの毎月約2000億円から40000億円に増額されているのである。今回はこれをさらに増額せよといっているのである。そのため、長期国債の買い切りオペの残高は実に45兆円を超えている。 膨張する財政赤字の下での長期国債の買い切りオペの増額は、政府がどんどん発行する国債を日銀が紙幣を印刷して直接引受けているのと実質変わりなく、インフレ懸念が台頭するなかで、国債のさらなる格下げが行われ、金利の上昇が起こる恐れがある。いま金利が上がったらただでさえ過剰債務に苦しんでいる企業は倒産の危機に瀕することになる。構造改革に着手しないとならないときがきたようである。 |