全日本吹奏楽コンクール

予報どおり、20日全国大会へ私(木野)と大野先生(稲葉西小)と行ってきました。私は大津(1998年)以来3年ぶりの全国。大野先生もそうとう久々のコンクールでありました。恒例の私的審査と結果、寸評をアップしました。

出演団体

1:西関東代表/埼玉県 文教大学吹奏楽部 指揮:佐川聖二(2年連続12回目)

課題曲T 自由曲 交響曲第5番「ハイドリオタフィア」より (W.オルウィン/瀬尾宗利)

私的審査 木野 課A自A 大野 課A自A 結果 金賞

課題曲は佐川氏らしく、たっぷり歌ったコラール。ゆったりと優雅なテンポのマーチと非常に楽しめる演奏でした。自由曲も場面ごとに表情豊かで、色彩感もあり、気持ちよく聴けました。ただ、ピッチの会わないところが時々あり、特にピアノのところは、その為汚く感じるところもありました。

2:九州代表/福岡県 福岡教育大学吹奏楽部 指揮:洲 暁 (20年ぶり2回目)

課題曲V 自由曲 「舞踏組曲」より 第2・3・4楽章 (小倉朗)

私的審査 木野 課C+自C+ 大野 課B−自C+ 結果 銅賞

よく練習されてましたが、課題曲はテンポがすべっていて、行進曲になってなかったようです。自由曲はもう少し表現力があってほしいと思いました。

3:北陸代表/富山県 富山大学吹奏楽部 指揮:秋山武司(初出場)

課題曲T 自由曲 伝説のアイルランド(RWスミス)

私的審査 木野 課C+自B+ 大野 課B−自C+ 結果 銅賞

課題曲は、もう少しテンポ感を感じて演奏できるといいと思います。自由曲は、リズム感もよく、表現もよく楽しめました。指揮者の打点が、演奏者に分かりづいように思いました。

4:東北代表/宮城県 東北学院大学シンフォニックウインドアンサンブル 指揮:淀 彰 (2年ぶり20回目)

課題曲T 自由曲 歌劇「イーゴリ公」よりダッタン人の踊り(ボロディン/淀彰)

私的審査 木野 課A−自B− 大野 課A−自B 結果 銀賞

課題曲は表情も出て楽しい演奏でした。自由曲は未消化のようで、テンポ感も乏しく、アンサンブルも少し乱れてました。

5:北海道代表/札幌市 札幌大学吹奏楽団 指揮:今井敏勝(2年ぶり3回目)

課題曲V 自由曲 組曲「馬あぶ」より(ショスタコーヴィッチ/木村吉宏)

私的審査 木野 課C自C− 大野 課B+自C+ 結果 金賞

課題曲も自由曲も、テンポがすべり、拍子感のない演奏でした。しかし、何か楽しくなるような感じはありました。大野先生も「聴いてるより一緒に演奏したい。」と話してみえました。しかし、金賞とは驚きました。おめでとうございます。

6:関西代表/大阪府 関西大学応援団吹奏楽部 指揮:西村正行(3年ぶり7回目)

課題曲T 自由曲 バレエ音楽「四季」より秋(グズラノフ)

私的審査 木野 課B自B− 大野 課B自B+ 結果 銀賞

課題曲は、前進する行進曲でなく、止まっているように感じました。前に進む表現が出るともっといいと思います。自由曲はテンポ感も出て、いい演奏でしたが、もっと表情がでると良いと思いました。

7:東海代表/愛知県 愛知学泉大学オーケストラ吹奏楽研究会 指揮:吉見光三(初出場)

課題曲V 自由曲 バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲よりパントマイム、全員の踊り(ラベル/佐藤正人)

私的審査 木野 課B+自B+ 大野 課A−自A− 結果 銀賞

課題曲は、きっちり演奏してましたが表情が幼く、すこし物足りなく思いました。自由曲も綺麗なサウンドで気持ちの良い演奏でしたが、もうすこしこの曲の持つ洒落がでると良いと思いました。しかし、評判どおり底力のある団体で、来年からのゴールデンロードを予感させる演奏でした。

8:東関東代表/神奈川県 神奈川大学吹奏楽部 指揮:小澤俊朗(3出休み明け32回目)

課題曲U 自由曲 ・・・そしてどこにも山の姿はない(シュワントナー)

私的審査 木野 課A+自A+ 大野 課A自A+ 結果 金賞

課題曲はテンポ感もよくサウンドも綺麗、表情も出て良かった。自由曲は、もう圧巻。すごかった。感動しました。しかし、20年以上経っても神大の演奏は、聴いててドキドキして緊張します。

9:中国代表/広島県 広島大学吹奏楽団 指揮:柿本晃佑(2年ぶり9回目)

課題曲T 自由曲 「オセロ」より(リード)

私的審査 木野 課B+自C+ 大野 課A−自B+ 結果 銅賞

課題曲はテンポ感がすこし足りなく感じました。自由曲も、もっと表現豊かにできると良いと思いました。

10:東京代表/東京都 創価大学パイオニア吹奏楽団 指揮:佐川聖二(2年連続2回目)

課題曲T 自由曲 交響曲第5番より第3・4楽章(アーノルド/瀬尾宗利)

私的審査 木野 課A自A+ 大野 課A−自B 結果 金賞

文教よりもっとゆったり歌った課題曲。テンポ設定もゆったりしていて、品があり、とても楽しめました。自由曲も表情豊かでとても楽しめました。ピッチが合うともっと良くなると思います。

11:関西代表/大阪府 近畿大学吹奏楽部 指揮:斎藤角博(3年連続21回目)

課題曲V 自由曲 地の精霊たちのバラード(レスピーギ)

私的審査 木野 課B+自A− 大野 課B−自B− 結果 銀賞

課題曲はテンポが不安定でマーチになってなく感じました。しかしとてもサウンドが良く、個人個人の音色もすばらしい。自由曲もいいサウンドで上手くまとめてましたが、各ソロが上手いのですが表現が乏しく少し残念、ソロとソロが一つの曲としてつながっていくともっと感動できると思いました。

12:東京代表/東京都 駒澤大学吹奏楽部 指揮:上埜孝(2年連続14回目)

課題曲W 自由曲 「舞踏組曲」よりW、V、終曲(バルトーク/上埜孝)

私的審査 木野 課A−自A+ 大野 課C+自C+ 結果 銀賞

課題曲はテンポが不安定でしたが、良く取れば「ゆれ」であり私は楽しく感じましたが、マーチとしては意見の分かれるところと思います。自由曲も、良いサウンドで、バルトークを上手く表現できてたと思いましたが、表現が個性的でこれも賛否の分かれる所と思います。私は面白かったです。

講評

秋頃は朝晩、そして外とステージ上との温度差が広く、その為チューニングが難しかったようで、ピッチが合わず、フォルテがやかましく、ピアノが汚く聴こえる団体が多かったように思いました。また、金賞との差は、きっちりと曲を聴衆に説得しているかどうかであったと思います。実力的にはあまり差はなく、練習の仕方。指導者の表現方法を変えれば、どこでも来年金賞を取る力があると思いました。出演の大学生の皆さん、楽しい1日を、ありがとうございました。