神奈川大学吹奏楽部第38回定期演奏会  前へ  ホーム

何年かぶりに神奈川大学吹奏楽部の定期演奏会いって参りました。

東京芸術劇場に初めて入りましたが、とてもすばらしいホールで、正面に現代的なデザインのパイプオルガンがあり、演奏者を楕円形で囲むように客席があります。私は扇君(麻雀でよく負けた後輩)の用意してくれた2階A列50番というステージを見て右端あたりに座りました。客席は満員(3361席)です。

指揮:小澤敏朗 オルガン:江尻弘子 司会:嶋原美香

喜歌劇「美しきガラテア」序曲 / フランツ・フォン・スッペ

「詩人と農夫」、「軽騎兵」等でおなじみのスッペのオペレッタ作品。その名の通り美しく軽快な音楽がオープニングを飾ります。

とても長い残響のホールで、昨年の全国大会会場である大阪国際会議場とはえらい違いで戸惑いました。

トランペットがピッチが微妙にあってないせいか汚く感じます。木管に対してトランペット多すぎるのでは。ただ、ワルツになってからが圧巻。客席を立って踊りだしたくなるようなリズム感。さすが小澤。

吹奏楽のための交響的瞬間 / 兼田 敏

日本の吹奏楽を常にリードしてきた二人の作品を取り上げます。

このところ毎回取り上げてくれる兼田先生の作品。前回定期のパッサカリアやサマコンの序曲と違い、現代的要素の入った曲で、難解なこの曲を我々に説得力ある表現で、披露してくれました。よかったけど、この曲もトランペットが気になる。

風紋(原典版)/ 保科 洋

最初の風の波が、とても温かくやさしく、大きく、立体感のあるすばらしい表現。テンポの切り替えも良く、とても楽しめた。吹奏楽でこれだけ大きな表現ができるのですね。

バレエ音楽「中国の不思議な役人」より / ベラ・バルトーク

私たち神奈川大学吹奏楽部が2002年全日本吹奏楽コンクールで自由曲として演奏した作品。過激なストーリーにふさわしいこれまた過激な音楽です。苦労の甲斐あって金賞受賞!

人数が60人くらいに減ったせいか、いままでよりクリアなサウンドに、コンクール本番でたった一つ音をはずしたトロンボーン、今回は見事に決める。各パートの実力、技術文句なし。コンクールではカットされたところも聞けてよかった。最高です。ブラボーとさけびたかった演奏。恥ずかしくていえませんでした。

休憩

オリジナルサウンドトラックによる吹奏楽のための交響組曲「利家とまつ」/ 渡辺 俊幸

Tメインテーマ Uまつのテーマ V友愛 W信長のテーマ X利家のテーマ Yメインテーマ(フィナーレ)             

NHK大河ドラマの主題曲です。3分ほどの放送版ではなく、登場人物のテーマ曲を盛り込んだ、堂々たる組曲版です。(編曲:後藤 洋)            

TのメインテーマがTVで放送された分のようです。UからYはドラマで使われたテーマを元に1曲づつ作り上げたような感じでした。

これも立体感のある素敵な演奏。ただ、現役の皆さんはきっと練習で大河ドラマなんか見てないでしょうね。

 コンチェルト・グロッソ / フランク・ベンクリシュートー

神奈川大学吹奏楽部とも関係の深かったアメリカの作曲家ベンクリシュートーの作品で、やはりジャズの影響の大きい作品です。サックス奏者でもあった作者が、その魅力を存分に生かしています。

アルト2本、テナーにバリサクの4人が前に出てこの4人と吹奏楽の協奏曲のような感じ。ジャズのリズムがよく表現され楽しく聞けました。演奏後アルトの女の子が何回もお辞儀してましたね。

ブルー・シェイド / フランク・ティチェリ

アメリカの作曲家ティチェリの作品。アメリカ独自の文化、ジャズ・ブルースに造詣が深く、特にこの作品は、生まれ育った南部のブルースの影響が色濃く表れています。

リズムの難しい曲を、すばらしく表現している。初めて聞いた局なのに感激してしまいました。この曲も「ブラボー」と言いたかった。

行進曲「威風堂々」第1番 / エルガー

ご存知のこの曲、ハープ、オルガンを使って、最後の曲にふさわしく派手に演出。

アンコール

シュトラウスの良く聴く曲(曲名思い出したら載せます)

最近シュトラウスを時々取り上げてますが、だんだんシュトラウスらしくなってきました。結構吹奏楽でやるのは難しいのよね。

美空ひばりメドレー / 真島俊夫編曲

小澤先生、客席に「いつものです」といってから演奏。

各パートたっぷり歌い、とても楽しめました。

星条旗よ永遠なれ / スーザ

いつものようにピッコロが6人前に出て演奏。最後は2軍(Bバンド)の金管も参加してたっぷりの音量。恥ずかしながらジーンときて涙が出そうになりました。現役の皆さん、小澤先生、コーチの皆さん、お疲れ様でした。いい演奏会をありがとう。

曲が終わって、本日の演奏はすべて終了しましたのアナウンス後も拍手は鳴り止まず、感激の演奏会でした。以上報告まで。

 

12月アップ分

2003年1月5日(日)13時30分より東京芸術劇場大ホールにて第38回神奈川大学吹奏楽部定期演奏会が開催されます。去る2002年11月2日大阪国際劇場大ホールでの全日本吹奏楽コンクールで140点満点中139点という高得点で金賞を受賞いたしました。今回はそのときの自由曲「中国の不思議な役人」も演奏されます。

兼田先生の作品は前回の定演、サマコン、そして今回と連続して演奏されます。兼田先生は2002年5月に他界されましたが、3回連続で取り上げたことでも小澤先生の兼田先生への深い思いが現れています。今回は兼田先生の親友保科先生の傑作「風紋」も演奏されます。とても楽しみです。

金賞を受賞した「中国の不思議な役人」は、コンクールの制約(定員55名、12分以内)から開放され、さらに深みのある演奏になると期待いたしてます。

あと、残念ながらチケットは完売していますので、ご案内できません。