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神奈川大学吹奏楽部第47回定期演奏会
2012年1月8日13:15開場14:00開演 みなとみらい大ホール

今回も、演奏会に来れなかった神大ブラスファンのため、明和テレビは実況中継を放送いたします。

私は13;30ごろホールに着き、OB会受付にて「ブラスの若大将」こと佐藤進部長よりチケットを受け取り、ここで簡単な年賀挨拶をして席に向かいました。
ホールでは、江尻さんのパイプオルガンが私たちを迎えていました。

席に着くと、両隣がOB会掲示板主催者の益田先輩と課題曲プレリュードにてティンパニの見事なソロを演じた佐藤君。
このお二人は青森の全国大会に行き、神大や山本率いる上武大の模様を教えてくれました。
また、青森の「ねぶた会館」へ観光に行ったとき、その会館で浜松交響吹奏楽団が練習していたようですが、うるさいからと言われ会場を追い出されていたとの事です。

これは、とても気の毒な話です。

せっかく練習に練習を重ねて、やっとの思いで全国大会まで進出できたのです。
練習会場を探すのも苦労するような地方でのコンクールは早くやめてほしいのです。
ホテルも練習会場もないのです。
吹連は、出場者の苦労を考えてあげてください。
以上、正月恒例、青年の主張でした。

祝典序曲
コンサート最初の曲です。良く知られたこの曲。私は、冒頭のファンファーレをスピード感ある華やかなファンファーレの音を期待してましたが、出てきた音は、軽いやさしいというかポウァーとしたアタックのトランペット。その後のブラス中低音の掛け合いもバランスを大事に考えた慎重な演奏。
もっときらびやかで荘厳なサウンドを期待した私は、アレレと思ってしまいましたが思い起こせば35年前。こんなことがありました。

私は佐藤部長と普門館の高校の部を見に行き、天理高校がネリベリの「2つの交響的断章」を演奏し、その鮮やかな躍動感、透明感、スピード感に感動し小澤先生に報告したことがあります。

そのことが多分小澤先生の脳裏のどこかにあったのか、当時音楽監督を務めていた銚子商業吹奏楽部の定期演奏会で、「2つの交響的断章」を取り上げたのです。

私は、天理のような鮮やかな演奏を期待してたのですが、その演奏はネリベル作品とは思えない、室内楽の弦楽合奏といったような細やかで繊細、やさしい表現。
これはには私も驚きましたが、良く聴くとこの表現、趣があるのです。、小澤先生は派手な曲を、派手に演出せず、その曲本来の奥に潜んだ細かなサウンドの綾を大切にし、ほかの人が見過ごしてしまうようなところに作品の光を当てるのです。

ファンファーレの後、クラリネットが入ってくるのですが、このクラリネットの音が素晴らしい。豊かで艶があって、とても気持ちいい音です。木管全体が加わり品よく気持ちのいい祝典序曲でした。

アナウンサー登場
女性のアナウンサー、みなとみらいの海のようなブルーとグリーンの混ざったスーツ。スカートの丈がひざ下20cm位で、昭和30年代の雰囲気。

前回の定期演奏会ではスカートの丈が短すぎると文句を言いましたが、それで丈を長くしたとは思いませんが、なんと言いましょうか、私の言いたいのは、その中間くらいと言いましょうか。

私の希望としては、団員に溶け込むようにモノトーンの白、黒、グレー系にしていただきたい。
アナウンサーはとても大切な役割があると思います。
服装も、事前にちゃんと打合せして演奏、団員、会場の空気を考えて選んでいただければと願っております。
できましたら、以前から言っているように、OBの浅井さんに司会をお願いしてほしい。
田原会長、小澤先生に打診してもらえませんか。

”地球”-美しき惑星- 真島俊夫
私は初めて聴く曲なので、思うまま実況中継をしますと、
ドラに始まりホルンが高らかなるファンファーレ、トランペット、クラリネットがそれに加わる。どこか、ホルスト惑星の火星のようなリズムもちらり。
大気圏を超えたあたりをスーと飛んでそこから地球をちら見しているような気持になるテーマ。そののちソプラノサックスがバラード風のメロディを気持ちよく演奏し、そのサックスのテーマに木管全体、トランペットが加わり高らかに奏でる。そして、また、「火星」が現れ再び最初のテーマをホルンが奏で、それにトランペット、木管群が呼応し最後はハープが会場全体に光り輝く星空を広げて終わります。
とても気持ちのいい曲でした。

拍手の中、小澤先生は客席にいる作曲者の真島先輩を紹介。

ディオニソス
ここでB♭とAの音でチューニング。
神大がコンサート中、舞台上でチューニングするのは珍しい。
普通のバンドは、チューニング中、音が合ってもいないのにチューニング音から離れ、次に演奏する譜面をプロのオケのようにパラパラと練習するのを良く見かけます。
でも、神大は余計な音を出さず、真剣に1つの音をチューニングしています。この辺、アマチュアバンドは見習ってほしいものです。

2年前の定期では88名で演奏しましたが、今回は67名。
並び方が、神大の演奏会では初めて見る形。
通常は最前列にフルート、オーボエと並びますが、今回はクラリネットとアルトサックス。
アルトサックスの後ろにテナーサックス、バリトン、バスサックスと並びます。
フルート、オーボエ、ファゴットはオーケストラのようにひな壇へ。
クラリネットとサックスでオーケストラの弦楽器のような音をイメージさせたかったのでしょうか。

演奏は、2年前とくらべ、テンポ感が少し浅く、ココッと言う場面がなく、一本調子に流れてしまい、あら、終わっちゃったのかな。というふうに感じました。
拍子の重さの変化、音のスピード感の変化を付けて立体感のあるディオニソスにしてほしかった。
人数のせいもあるかもしれませんが、私は2年前の演奏の方がすきかなぁー。

神大ブラスOB会掲示板で主催者の益田さんがコンクールの方が良かった。と書いてましたので、早速自慢の真空管オーディオでコンクールのCDを聴きました。

なるほど、全然違います。一つ一つの音の重量感の変化。深さの違い、間合い、たたみかけるようなエンディングなどまったく違います。

そういえば、私たちのころも、コンクールで演奏した曲を定期で取り上げるときは、練習も流す程度で、あまり深く注意を受けなかったような気がします。
あれだけ練習した曲だから、これ以上先生もいろいろ注意したくはないのでしょうか。
気持ちは分かります。

             休憩
魔笛
最初のテーマ、オーケストラでの弦楽器のスピード感、キラキラ感が頭に入ってて、吹奏楽版で聴くと、拍子抜けしてしまう。
しかし、クラリネットのアンサンブルは美しく見事です。
いやぁ気持ちいい。

モルダウ
冒頭のフルート見事。しかし次の弦楽器ピチカート部分を木琴で演奏してましたが、ピチカートの音をイメージして木琴の演奏が流れてきたため、オヤっと思ってしまいました。
ピチカートの部分を木琴で演奏するのは仕方がないとしても、弦楽器ピチカートに含まれる倍音が木琴にはないため、明らかにオーケストラとは違った音になります。
ここは工夫が必要では、
例えば、もうオクターブ上の音をたたくとか、上の音だけ鉄琴の音を混ぜてみるとか。

フルートに続くクラリネットのテーマは音は綺麗でしたが、表情がややあっさりで、もっと色っぽく印象に残るように演奏していただければ次のブラスセクションとの対比がさらに生きてきたと思います。
全体に川の流れのゆれが出ていましたが、オーケストラではもっともっと揺れている演奏を聴いてしまっているため、物足りなく感じてしまいます。
でも歌う気持ち、揺らす気持ち、表現しようとする心ははすごく伝わってきます。
その心に最後は感動してしまいました。

ローマの松
とても色彩感豊かな演奏でした。前2曲に比べてアレンジ物のハンディを感じさせない素晴らしい演奏でした。
私の贅沢な希望としては、ボルゲーゼ荘の松の最後のテンポ感、もっと前のめりにたたみかけれたら、カタコンブ付近の松の静寂感との対比がもっと出ると思いました。
あと後半のトロンボーン。もっと朗々と雄大に演奏していただけると私としては大満足になったと思います。

ジャニコロの松
クラリネットソロ、良かったですね。感動です。とても細やかに歌い上げた素晴らしい演奏。ソロクラリネットをひな壇に持っていたのも正解。

アッピア街道の松
コールアングレソロ、グーです。バンダのファンファーレ隊が下手客席の3階に陣取り、ブラスの音が天から降り注ぎ、ステージのバンドの音と立体的に混ざり合い、それを正面奥のパイプオルガンが支え、ドラも目いっぱい叩いて迫力のある感動的なクライマックスでした。
ブラボーです。

アンコール
フニクリフニクラ
最後にトラ模様のドでかいボクサーパンツを広げて見せようとするのだが、それがなかなか手間取り場内から笑いが。そして勢いよくパッと広げて場内大拍手。

美空ひばりと星条旗
大拍手の中、今年の定期演奏会が終わりました。
客席まわりを見渡すと、皆さん満足されている様子。
OBとしてホッとしました。

神大ブラスの魅力は、もちろんアマチュア吹奏楽会の頂点であるだけでなく、おごらず、ひたむきに努力する。プロのオーケストラにはない一生懸命さの魅力です。
このようにどんなに素晴らしい演奏をしても、音楽に対する変わらぬ謙虚な姿勢に私はいつも感動してしまうのです。

現役のみなさん。素晴らしい演奏をありがとうございました。
コーチのみなさん。吹奏楽部を支えるすべての人々に感謝し、小澤先生が健康で長生きしていただくことを願っています。
ちゃんと人間ドック行ってください。

皆様ありがとうございました。